勝率と複利の思考を捨てよ
投資攻略法には高勝率・あるいは100%の勝率を謳うものがたいへん多いです。外国人はどうか分かりませんが、日本人は勝率というステータスに実に弱いといえます。またFXブームの2005年にブログでよく見かけた○連勝中なんていうのも同じく勝率から抜け出せていない投資家だと言えます。
勝率というのはポジションを取った時点での、予定損失額・予想利益のバランスで決まります。予定損失額を大きく取れば勝率は当然高くなるのですが、この場合は利小損大というダメなパターンになりがちです。一方で予想利益を大きく取ると損切りが多発して勝率は低下しますが、損小利大にはなりやすいです。ただし期待値が100%以上あるのでなければいずれも意味はありません。
そもそもストップを入れる以上、予想が当たる確率は1/2以下です。ファンダメンタルズやテクニカルの分析を駆使したところで、予想はどこまでいっても予想に過ぎません。ストップで振り落とされることがある以上、1/2を下回る勝率で100%のリターンをえるための投資ルールを作成する必要があるのです。
さらにどんな投資マニュアルにも「複利の力はすごい」と書いてありますが、本当に複利の意味を知っているのか不思議になります。「複利の力が投資家にとってすごい」のは勝率が100%でかつ自分の予定するパフォーマンス(利益幅)が確実に実現することが前提条件です。仮に10%のプラスと10%のマイナスが交互に来た場合、どのように資産が推移するかお分かりでしょうか。期待値が100%ですが、現状維持できると思っている人は大きな勘違いをしています。電卓で1.1と0.9を交互に掛け続けてください。
勝ったり負けたりするケースでは「複利」の力でどんどんマイナスになっていくのが分かるでしょう。「複利」とは極めて限定的な場面でしか投資家に有利に働くことはありません。定期預金ならまだしも勝率1/2以下の投資・投機に使うべき言葉ではありません。まさに"複利を捨てよ"です。
(このエントリーは2006年に執筆したものに手を加えています)
