相場観

売買とはいうものの…

実際は貸借>売買と考えたほうがより実体に近いと思います。仮にユーロ/ドルを例に挙げます。
ユーロ/ドルを1万ユーロ買いで持った場合では、

ドルを1万ユーロ分「借りて」きます

インターバンクでドル→ユーロに両替します

1万ユーロを「貸し」付けます

決済のときは全く逆の流れが起こります。

結果どのようになるかというと、ドルの利子を支払ってユーロの利子を受け取ることになり、その差(この場合はマイナス)を受け取ったり支払ったりすることになります。これがスワップポイントの正体です。つまりFX本などで利子と書かれていることがありますが、正確に書くとすれば利子の差ということになりますね。



デイトレ手数料割安の理由は…

前述したとおりスワップポイントの受け払いは金利差による利子の差だと説明しました。
では利子が付くのはいつでしょう?

それはNY市場がクローズする午後5時なのです。NY5時の時点で未決済のポジションについてはいわゆるロールオーバーの手続きとなり利子の受け払いをすることになります。つまり貸借関係が有効に継続されるわけです。

一方デイトレードの場合はNY5時までに決済されているので、決済期限前であれば始めに結んだ貸借関係を「取り消し」することによって利子の受け払いはもちろんのこと、決済にかかる手数料も節約することができると考えられます。

これがデイトレ手数料が割安になる理由として私が考えていることです。



FXトレードの本質-1

国内の個人投資家は、短期売買を繰り返す派とスワップ受け取りを狙って長期保有をする派に分けられます。もちろん2極的な言い方をするつもりはなくて思考の方向としてそのいずれかだろうと言うことであって中間に位置する人が大多数であろうことは間違いないです。

それぞれの方法がそれぞれのメリットとデメリットを持ち、どちらの方法も格段優れているわけではなく、あるのはこのいずれかの方法に過ぎないということであります。なぜこのように消極的な書き方をするのか不思議に思われる方も多いと思います。

当サイトではFXの魅力について書くと同時に悪い点も同時に併記せねばならないと考えています。次項以降ではFXトレードの本質・相場の本質をにらみつつ管理人なりの考察を紹介します。



FXトレードの本質-2

短期売買型と長期保有型の2つのタイプがある、そう前項で書きました。
短期売買型は為替差益を積極的に狙うもの、一方長期保有型はスワップ益を狙うものだと言えるでしょう。

短期売買型の敵は、手数料とスプレッドです。一回の取引で何銭狙うかにもよりますが、仮に一回の取引で30銭を狙うデイトレードを行うとします。一般的な業者の手数料往復500円、スプレッド5銭の場合、30銭差益を取ったとしても込み込みで20銭分しか利益が残りません。つまり自分の努力のうち、1/3が毎回目減りしてしまうのです。

一方で長期保有型の敵は為替差損とスワップの減少です。スワップの受け取り額は為替の動きに比べるとかなり小さいため、1ヶ月程度の期間ではスワップ額が塵のように見えてしまうこともあります。これが半年、1年となってくるとそれなりの金額になってくるのですが、短期的な相場の動きに翻弄されてしまうことがあることは長期保有型のリスクの一つです。またスワップ額は常に一定ではありません。金利が下がったり、通貨の価値がさがることでスワップ額が減少してしまい、スワップの受け取りに収益性がなくなってしまうことがあります。
最近ではポンド/ドルで金利が逆転してしまい、ポンド/ドルの買い持ちはスワップを支払うことになりました。またNZ/円のケースですと、2005/12月につけた86円のときと2006/3月の71円のときでは、金利が変化していないにも関わらずスワップの受け取り額に20円以上もの差が出ていました。このように長期保有型にも大きなリスクが内在しているということをあらかじめ予測していなければいけません。
(このエントリーは2006年に執筆したものに手を加えています)



高金利通貨は売れ!

短期売買型と長期保有型の難しい点を知っていただいた後で、一つの戦略を紹介させていただきます。
高金利通貨を売るというものです。

ご存知のとおり、高金利通貨を売るということは毎日のスワップの支払いを甘受することになります。しかし金利の本質を考えていただけば戦略としては正しいものだと言えます。

金利が上下するのはなぜでしょうか?各国政府が政策金利を決定する際に最も重要視するのはインフレです。いつもインフレ率を適切な値に保つために金利を調整しているのです。

インフレとは物価が上昇する現象のことですが、逆に言えば通貨価値が下落する現象ともいえます。インフレが起こっているとき、預金生活者や年金生活者が困るのはそのためです。つまりインフレ=通貨価値の下落であり、そして高金利の国は低い金利ではもはやインフレを抑制することができない国ですから長期的に見て高金利通貨の価値は下落するわけです。(※注.外資を受け入れるために政策的に金利を高くしている国も存在します)

具体的な例を出します。現在120万円と1万ドルが同じ価値だとしましょう。ドル/円のレートは120円です。そしてアメリカの政策金利は4.75%ですので一年間で得られる利子は475ドルですね。日本の政策金利は0%ですので120万円のまま変わらないとします。そうすると1年後には120万円と10475ドルが同じ価値ということになります。このときのドル/円のレートは114.56円となります。理論上はという意味ですが随分円高が進んでしまいました。

ここ最近のNZを例に出すまでもなく、クロス円は上げ100日、下げ3日とよく言われます。それだけ下げのスピードが速いということだと思います。しかし上記の理屈で言えば下がるのが自然な動きであって、それをスワップが美味しいからとみんなで買い上げているから状況だからこそ100日かけて上がるのです。みんなが買うのをやめてしまったとき下げ3日の場面が現れ戦略が成功します。
(このエントリーは2006年に執筆したものに手を加えています)



ポートフォリオは常に悪化していく

みなさんは取引をするとき、いくつぐらいの通貨ペアを扱いますか?あるいは常時監視している通貨ペアはいくつありますか?

私の場合ですと、主に見ている通貨ペアは
ドルストレートで5つ EUR/GBP/JPY/CHF/NZD
クロス円で5つ EUR/GBP/NZD/CAD/CHF
欧州クロスで3つ EUR/GBP/CHF

を見ています。実際にポジションを取る時期がかぶると同時に3つ〜5つのポジションを建てていることも珍しくありません。さて複数のポジションがあるとき、どういう順番でポジが解消されていくでしょうか?

そう、あなたも思い当たるように利益が出ているポジションから決済されていき、含み損があるもの、特に大きな損失があるものは後回しにされる傾向があるように思います。これは同じ通貨ペアで何回かに分けてポジションを取ったときも同じことが言え、優良な建値のものほど早く売り払われてしまうのです。

そういう意味でポートフォリオは悪化すると書いたのですが、これでは資金を拘束する悪いポジだけがたまってしまい、思うように利益を出すことができません。私自身も含めてですが、常に優良なポジションが残るように心がけていきたいものです。



勝率と複利の思考を捨てよ

投資攻略法には高勝率・あるいは100%の勝率を謳うものがたいへん多いです。外国人はどうか分かりませんが、日本人は勝率というステータスに実に弱いといえます。またFXブームの2005年にブログでよく見かけた○連勝中なんていうのも同じく勝率から抜け出せていない投資家だと言えます。

勝率というのはポジションを取った時点での、予定損失額・予想利益のバランスで決まります。予定損失額を大きく取れば勝率は当然高くなるのですが、この場合は利小損大というダメなパターンになりがちです。一方で予想利益を大きく取ると損切りが多発して勝率は低下しますが、損小利大にはなりやすいです。ただし期待値が100%以上あるのでなければいずれも意味はありません。

そもそもストップを入れる以上、予想が当たる確率は1/2以下です。ファンダメンタルズやテクニカルの分析を駆使したところで、予想はどこまでいっても予想に過ぎません。ストップで振り落とされることがある以上、1/2を下回る勝率で100%のリターンをえるための投資ルールを作成する必要があるのです。


さらにどんな投資マニュアルにも「複利の力はすごい」と書いてありますが、本当に複利の意味を知っているのか不思議になります。「複利の力が投資家にとってすごい」のは勝率が100%でかつ自分の予定するパフォーマンス(利益幅)が確実に実現することが前提条件です。仮に10%のプラスと10%のマイナスが交互に来た場合、どのように資産が推移するかお分かりでしょうか。期待値が100%ですが、現状維持できると思っている人は大きな勘違いをしています。電卓で1.1と0.9を交互に掛け続けてください。

勝ったり負けたりするケースでは「複利」の力でどんどんマイナスになっていくのが分かるでしょう。「複利」とは極めて限定的な場面でしか投資家に有利に働くことはありません。定期預金ならまだしも勝率1/2以下の投資・投機に使うべき言葉ではありません。まさに"複利を捨てよ"です。
(このエントリーは2006年に執筆したものに手を加えています)



大切なのは時間軸

いろいろな相場観を書きましたが、もっとも大切なこととして自分が報われたい時間軸を設定するというものがあります。

投資スタイルが人それぞれで異なるということは繰り返し述べていますし、その資金管理のあり方もそれぞれベストは異なります。それに加えてどの時間軸を重視するかというのもおのずと異なってくると考えています。

まずどの時間軸で報われたいのかをポジションを取る前に明確にしましょう。1分で報われたい人と1日で報われたい人と1年で報われたい人。取るべき戦略、マネーマネジメント、損切りの設定は当然異なるはずです。

starlordは相場で利益を上げ続けるために絶対必要なものとして、「資金管理」と「時間軸」の2つをもっとも重視しています。