相場格言
人の行く裏に道あり花の山
相場格言としてもっとも有名だろうと思う格言を最初に持ってきました。
人の行く裏に道あり花の山
人と同じことをしていては儲かりませんよ。儲けようと思うなら人と違うことをしなさいという格言です。人と違うことというのは口で言うほどやさしくはありません。
売買の手法・市場参加者の心理・相場の方向感といったさまざまな要素の中からひとつあるいは複数の要素を抜き出して人と違う行動を取るのです。例えば利食いを頻繁にするデイトレーダーとは違う要素を取り入れようと思えば「10年間反対決済をしない」、市場参加者の心理と違う要素を入れるのであれば「暴落のときに落ちてくるナイフを果敢に掴む」などのようなことが想像できます。
しかし実はこの格言には「下の句」が存在します。
人の行く裏に道あり花の山 何れを行くも散らぬ間に行け
つまり人と同じ道であろうと裏の道であろうと、その道自体は問題ではないのだということなのです。どちらの道を選択するかはあなた次第であるけれども、「散らぬ間に」つまり時期や時勢を見極めて、機を逃さないことこそが本質なのだよと説いています。
あたまとしっぽはくれてやれ
エントリー/クローズの格言としてよく言われる格言に
あたまとしっぽはくれてやれ
というものがあります。他の格言では「天井売らず底買わず」といったものがそれに当たるかもしれません。相場が動き出すときはどこが始まりでどこが終わりかを見極めようとせずに、あがり始めてから買いを入れ、ほどほどに上がったら利確しなさいという意味でしょうか。
しかしこの格言が紹介されるとき、たいていは上げ相場のチャートがいっしょに載せてあり、底を打つ前のチャート部分が載せてあることはほとんどありませんよね。ですので実際の相場で反転を確信して買いを入れること自体とても難しいことだと思いますし、そのタイミングでエントリーできたのであればそれこそ利食いを徹底的に遅く引き伸ばしたいところです。プロフィットロスカットを入れるか、トレーリングストップをいれつつ上値を追うというのがよい気がします。
さて「あたまとしっぽはくれてやれ」に異論を唱えたわけですが、さらに別の論を提案してみます。
「あたまとしっぽはくれてやれ」が本当に唱えているのは、底(だと思い込ん)で買い、天井(だと思い込ん)で売るという行為自体が大変恣意的・感情的であるから、そういった感情トレードをやめなさいという格言だと思うのです。
エントリーもクローズも自分のルールを守って(ルール自体がなければどうにもなりませんが・・・)機械的にやるということです。システムトレードをすすめるわけではないですが、自分ルールを事前に作ってそれを守るだけでクローズに未練を持つことは少なくなることと思います。
売るべし・買うべし・休むべし
同じ意味の格言に「休むも相場」というものがあります。
休むの解釈しだいでいくらでも差がつきそうな格言ですが、starlordの考える休むとは以下のようなものです。
・どちらに動くか分からないので損をしないために休む
・分析がまだ不十分なので取引を休んでその時間を勉強に回す
・どちらに動いたときでも資金を投入できるように資金確保のために休む
いずれも休むの意味としてはそれなりですが、やっても仕方ないからやらないという一番目の理由よりも不用意に資金を拘束されないために休むという方がより相場に対して積極的な気がします。
資金管理は投資の最も大切な部分ですが、資金を意識して休ませるというのもやってみると難しいものです。
一徹張りは貧乏神
一徹とは一つのやり方にこだわること。つまり自分のやり方に固執して相場全体を見ない、相場の変わり目を見ようとしないやり方は結局損をするということです。
FXの場合は、2005年の円安相場をいかに頭から消し去るかが一徹張りから逃れるための重要ポイントになるかもしれません。
材料が材料でなくなるときを知れ
相場を動かす材料は常に相対的なものです。
あるときは好材料として好感されたとしても別のときに好材料として扱われるとは限らないものです。また結果自体は評価に値するものであっても前回からの上積みが見られない場合や成長が感じられない場合は材料出尽くしの判を押されてしまうこともあります。
材料は材料に過ぎず、それを調理するのは人間・市場参加者なのだということを肝に銘じて思い込みやきめ付けをなるだけ排除して分析を行う必要を説いている格言ですね。
三空は売り
テクニカル的な格言です。
空とは前日の終値から高く(下げトレンドでは安く)始まって、その値を下回らない(上回らない)ということ。上げ相場であれば相場の加熱状況はかなり煮詰まっており、売りどきを探る時期に入っているという意味です。(下げの場合は書いを打診する時期)
何が重要かというと、相場を張るときは決して相場に酔いしれてはダメで、常にマーケットを観察しエントリーとクローズのタイミングを計る必要があるということでしょう。下げ相場に悲観せず、上げ相場に浮かれずに常にマーケットを冷静に観察できる眼を持ちたいものです。
もうはまだなり、まだはもうなり
どこかのサイトで、「じゃあどうしろって言うんだろう」と皮肉を言われていた格言です(笑)
人の思考にはどうしてもバイアスがかかるもので、中立な立場でさえ正しい判断が下せるかどうかも難しいものを利害に直接かかわりながら判断しなければいけないのが、相場の難しさだと言えます。
儲けたいと強く思えば過剰なポジションを取ってしまったり、あるいは損をしたくない気持ちが強すぎて損きりが遅れたり絶好のチャンスを見送ったりしてしまうものですよね。
投資家の心理というのはそれほどに現実と乖離しがちで、自分の主観に任せた売買がどれほど危険かを説いているのがこの格言だと思います。相場のことは相場に聞くという姿勢を常に崩さないようにしましょう。
なお逆張りを戒めたという風に解釈する向きもあるでしょうが、逆張り自体は方法論としては理に適っています。これはマネーマネジメントと密接に関わっていますから別の場で取り上げるかもしれません。
買いやすいときは深呼吸、買い難いときに勇気
株っぽい格言です。
買いやすいときというのは上昇が続いてとまりそうにないときのことです。しかしこういうときに乗り遅れるなとジャンピングキャッチをしてしまい、気付けば天井だったというのはよくある話。
逆に買い難いときというのは下げが続いており、景気や業況に寒い話題が流れているようなときです。
株で儲けようと思うならこういった買い難いときにこそ、分析に基づいた客観的な根拠で勇気を出して買いを入れましょう。株というのは上がったり下がったりするものですから、安いところをコツコツ買うことが儲けるための秘訣となります。
ただFXの場合はレバレッジがありますから、この格言は必ずしもあてはまらないかもしれません。高いところで買ってさらに高く売ってもレバレッジのおかげで十分な利益を取ることが可能です。
卵は一つの籠に盛るな
たくさんの卵を一つの籠に盛ってしまうと万一のときに全部ダメにしてしまうので、別々の籠に盛りなさいという意味からリスク管理、資金管理の格言として知られます。また分散投資のすすめとしてポートフィリオの組み方を説いたものとも言えますね。
基本的にスイングトレード・長期投資を行う場合には、リスクにさらすのは資金の30%程度までに抑えるべきだと考えます。その範囲でポジション量とロスカットポイントを正しく定める必要があります。さもなければ、自分の予想に逆行したときに二の手・三の手を打つことができず、ずるずると含み損を大きくするだけになってしまうからです。
一つの籠に盛るなというのは、何も二つも三つも籠を用意すればよいという意味ではありません。キャッシュポジションこそ立派な籠の一つであり、優先すべき籠だと思うのです。
フルレバレッジ・フルインベストメントではいつか致命傷を受けます。キャッシュポジションを多めに用意して相場に柔軟に対応する余裕を持ちましょう。
知ったらしまい
材料に関する格言ですね。
いい材料も悪い材料もみんなが知ってしまえばそれは当たり前のことになってしまって、値を動かす力はもはやない、いやひょっとしたら材料出尽くしで反発することさえありえるのが相場の世界です。
特に為替の世界では重要指標が発表される前から予想がされますが、指標の結果に反応するかどうかは既に織り込まれた予想との乖離具合によるところが大きいです。つまり予想はみんなが知るところとなっているので、予想と同じくらいの数字では相場を動かすことはできないわけです。
予想からかけ離れてよい場合や悪い場合は素直に反応するでしょうが、同じくらいだった場合の「材料出尽くし」には十分注意する必要があると言えるでしょう。
評価益は益と思うな、しかし評価損は実損である
私自身は仮の利益・仮の損失と侮る必要はないと考えていますが、この格言はかなり厳しい見方をしています。
まず評価益は利益に入れてはいけないと言っています。なぜならば、いつでも利食いできると思っていても実際はわずかでも利益が減少すると手仕舞いが遅れてしまい、利益を吹き飛ばすことは日常茶飯事であるから。もしそんな仮の利益を見込んで、信用2階建てなどしていようものならあっという間に全資産がなくなってしまうような痛手を負うことになります。レバレッジの高いFX取引では含み益で新しいポジションを建てることもでき、一層リスクは増大するということを肝に銘じましょう。評価益はまだ仮の利益。確定するまではゆめゆめ油断してはいけないというのが一つ。
さらに評価損を未確定の損だと考えてはいけないと戒めます。評価損は自分で確定できないからこそ評価損のままですが、その実は資金を拘束され、新しいチャンスを逃し、そして評価損を大きく成長させてしまう危険を伴った行為なのです。損切りが全てではありませんが、評価損も実損も同じ。自分の取引をシビアに見る習慣を身に付けましょう。
株を買うより時を買え
どんなにテクニカルに精通していてもエントリーがうまくても、小難しい相場でアレコレやるより儲かる相場に素直に乗った方が有利だということです。
機を捕らえる人と機を逃してしまう人のパフォーマンスの差は歴然としてきます。機を捕らえることができる人は利益が大きくなりやすく、損小利大を実現することができますが、そうでない人は勝率にこだわるあまり含み損を抱えたり、あるいは損切り貧乏になったりしがちです。
簡単な相場、儲かる相場、あるいは自分の得意な相場になるまで待つことが大事だということです。特に正業を他に持っていらっしゃる方であれば、待つことが自分の大切な資産を運用するための秘訣となるでしょう。